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1歳半健診で「ことばの遅れ」と言われたら
——経過観察のあいだにできること
先に大事なことをひとつ。1歳半健診で「ことばの遅れ」と言われても、それは今すぐ何かを決めなければいけない合図ではありません。この時期の言葉の育ちには幅があり、「経過観察」という言葉が使われるのは、「もう少し様子を見てから考えましょう」という意味であることがほとんどです。
健診の会場で言われた一言が、帰り道でも頭から離れない。そんな保護者の方は少なくありません。「うちの子は大丈夫なのか」「何かしてあげたほうがいいのか」と考え続けてしまうのは、それだけお子さんのことを見ているからでもあります。
この記事では、1歳半健診で言葉の遅れを指摘され、経過観察となった期間を、どう過ごせばいいか迷っている方に向けて、この時期にできることを整理しています。
「ことばの遅れ」と言われるとき、何が見られているのか
1歳半健診では、単語の数や、指さし・身振りでの意思表示の様子など、いくつかの項目が確認されます。ただし、これらは「できた/できない」を採点するものではなく、その時点でのお子さんの様子を把握するためのものです。
- 話す言葉の数だけでなく、言葉の理解や、身振り・指さしでの伝え方も含めて見られています
- 1歳半の時点での差は、その後の育ちの中で変化していくことも多くあります
- 「経過観察」は、診断でも判定でもなく、時間を置いてもう一度見てみるという判断です
気になることがあれば、健診の場や、かかりつけの医師・保健師に率直に聞いてみることができます。その場で聞き切れなかったことは、あとから相談窓口に連絡することもできます。
経過観察のあいだ、何を待っているのか
「様子を見る」と言われると、何もしないまま時間が過ぎていくような不安を感じることがあります。ですが経過観察の期間は、お子さんの育ちが今どちらの方向に進んでいるかを、もう少し時間をかけて確かめる期間でもあります。
この期間の過ごし方に、特別な正解はありません。ただ、日々の暮らしの中でお子さんとどう関わっているかは、次に相談するときに役立つ手がかりになることがあります。
暮らしの中でできること
言葉を「教える」というより、言葉が生まれやすい場面を増やす、という考え方があります。特別な取り組みを新しく始める必要はなく、すでにしている関わりの中に置き場所を見つける形で十分です。
散歩に出て、犬を見て「わんわん、いたね」と声をかける。おやつを渡すときに「どうぞ」と手を止めて待つ。絵本を読みながら、ページの絵を一緒に指さす。こうした場面のひとつひとつが、言葉のやりとりの経験になっていきます。
- お子さんの視線の先にあるものに、短い言葉を添える
- 返事を急かさず、お子さんが伝えようとする間(あいだ)を待つ
- 身振りや指さしでの表現も、言葉と同じように受け取る
できているかどうかを気にする必要はありません。日々の中に、すでにこうした場面はたくさんあります。
記録しておくと、あとで役立つこと
次の健診や相談の場では、「最近どうですか」と聞かれることがあります。そのとき、日々のことをその場で思い出そうとすると、案外難しいものです。
言葉の数や、指さしの様子、伝わったときのやりとりなど、ちょっとしたことをメモしておくと、あとで見返したときに変化が見えやすくなります。子どもの発達を見守る記録アプリ「きろくのタネ」のように、短い言葉と日付だけを残せる形にしておくと、続けやすいという声もあります。
次の健診・相談までに気になったら
経過観察の期間中に気になることが増えた場合、次の健診を待たずに相談することもできます。地域の保健センターや、かかりつけの医師・保健師に連絡する方法があります。児童発達支援などの支援の仕組みは、こども家庭庁の児童発達支援ガイドラインに基づいて整えられていますが、具体的な窓口や手続きは自治体・事業所により異なるため、お住まいの地域の窓口に確認することができます。
相談すること自体は、何かを「決める」ことではありません。今の様子を伝え、必要な情報を一緒に確認する場として使うことができます。
この記事は一般的な情報の提供を目的としたもので、医療上の助言ではありません。お子さんの発達について気になることがある場合は、かかりつけの医師や地域の保健師など専門職にご相談ください。